猫まるさんの投稿した口コミ一覧

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口コミ投稿

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫) / スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ (著), 三浦 みどり (翻訳)
  • 投稿日:2020年08月23日
  • この口コミの投票獲得数:3票
4
心に深く刺さってくる内容であると同時に、大変貴重な史料でもあると感じました。志願兵として第二次大戦で銃を取り戦った、ソ連軍元女性兵士達の証言が淡々とつづられています。彼女たちの存在は広く知られてはいません。自国のために命がけで戦ったはずなのに差別され、疎まれたからです。自国の男性兵士が相手国の女性に行なった蛮行にも触れています。認識はしていたけれど、勝利国の女性から語られるのはかなり珍しいと思います。読み進めるほどに、彼女達は特別に野蛮で好戦的な女性ではなく、ごく普通の女性たちだと強く感じました。同時に戦後受けた苦しみや差別を思うと胸が苦しくなりました。
世界史とつなげて学べ 超日本史 日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史 / 茂木誠 (著)
  • 投稿日:2020年08月23日
  • この口コミの投票獲得数:11票
4
高校生の頃「日本史と世界史ってなぜ別々に習うんだろう」と思っていたので、本のタイトルに惹かれました。語呂合わせで年表を覚えるだけだったつまらない授業は一体なんだったのかと思うほど興味深い内容でした。前半は日本人のルーツやDNAの話が続きますが、それが現代の稲作のルーツなど興味深い話に繋がっていきます。世界の中の日本の立場、古代より続いた大国との戦いで守ってきた国の独立性などに思いをはせる事が出来ました。歴史をざっと見返すにはちょうど良い内容かと思います。
夜と霧 / ヴィクトール・E・フランクル
  • 投稿日:2020年08月23日
  • この口コミの投票獲得数:7票
4
昔から名著と言われていたのは知っていましたが、恥ずかしながらこの歳になって初めて読みました。精神科医である著者は自らのアウシュビッツ体験を元に、極限状態の人間がいかに壊れていくか、どう立ち向かうかを考察しています。迫害されたユダヤ人達は悲劇、でもその後のイスラエル情勢を見ると人と差別は切れない関係なのかと複雑な気持ちにもなります。それでもやっぱり「人間とは、ガス室を発明した存在。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもある」という著者の言葉には心を揺さぶられます。
明治維新という名の洗脳 / 苫米地 英人 (著)
  • 投稿日:2020年08月23日
  • この口コミの投票獲得数:5票
3
明治維新のウソとやらを延々と論じた本でした。この本の論を信じられない日本人は、大河ドラマなどに洗脳されているという事らしいです。前半部分は、様々な史料などに基づき根拠のある内容で参考になったけど、後半は著者による考察という名の想像の話ばかり。これを読んで「そうだったのか!」と手放しで目が覚めたとかいう人も一種の洗脳にかかってるんじゃないのかな?と思いました。個人的には軽々しく洗脳という言葉を出す人は信用しませんが、あくまでも一つの参考にする事をお勧めします。
NACHTMUSIK [CD] / エルマー・ブラス・トリオ, Elmar Brass
  • 投稿日:2020年08月21日
  • この口コミの投票獲得数:6票
4
1曲め「Speak Low」から高速スイングに乗った細かいタッチのピアノが存分に聴けて、エルマーらしさ全開です。まるで滑るように細かいタッチなのに決して雑にならず、精密機械のように正確なタッチは素晴らしいです。ミドルテンポやスローテンポの曲もバランスよく収められています。中でも私は「Midnight Mood」が気に入りました。アルバム序盤の軽快さとは違ってロマンティックで繊細なピアノを聞かせてくれています。
BRASSABI! [CD] / Elmar Brass, エルマー・ブラス・トリオ
  • 投稿日:2020年08月21日
  • この口コミの投票獲得数:10票
4
エルマー・ブラスはドイツ出身のピアニストです。初来日後にこのアルバムを製作したそうで、随所に日本の思い出が散りばめられています。まずアルバムタイトルの「ブラッサビ」は自身の名前ブラスとワサビを掛けています。日本のウィスキーに感動した事を表現した「Yamazaki 12」は楽しいお酒だったんだなと伝わってきます。「Wasabi」は外国人が本わさびで悶絶する様子が目に浮かびます(笑)全体的に軽快でアップテンポな曲が多いのに、ラスト曲「Memories of You」では打って変わって情感溢れる美しいピアノを聴かせてくれています。
FIRE [CD] / トヌー・ナイソー・トリオ, Tonu Naissoo
  • 投稿日:2020年08月21日
  • この口コミの投票獲得数:10票
4
選曲のセンスがとても良いと思います。日本人にも馴染みがある「戦場のメリークリスマス」も良いですが、ジャネット・ジャクソンの「Come Back to Me」が入っている事に驚き、とても懐かしい気持ちになりました。一番気に入っているのは「Coffee Cold」です。おしゃれな旋律に程よく効かせた低音がたまらなくカッコいいです。ながら聴きしている時でも、この曲がかかると手を止めてベースに注目して聴きたくなります。
アダージョ 〜パイプオルガンで聴く名曲〜 [CD] / 紙屋信義 (アーティスト, 演奏), アルビノーニ (作曲), クラーク (作曲), その他
  • 投稿日:2020年08月19日
  • この口コミの投票獲得数:5票
5
音の重なりがすごくて圧倒されます。ちょっと良いスピーカーで聴くことを強くお勧めします。身体中が音色に深く包まれるかのようです。曲目も有名なものが多く聴きやすいです。1曲めの「アダージョ」から引き込まれて、大好きな「パヴァーヌ」でどっぷり浸って、「ジュピター」の頃には涙が出そうになっていました。ずっと包み込まれて、沈み込んでいたくなる重厚感。リラックス時間にぴったりです。
大フーガ ~ドイツのオルガン名曲集~ [CD] / 紙屋信義
  • 投稿日:2020年08月19日
  • この口コミの投票獲得数:5票
4
私はピアノが大好きですが、紙屋信義さんというオルガニストの演奏に初めて出会った時に、その音色の奥深さに感銘を受けました。パイプオルガンを直に聴く機会はそうそうありませんが、私が勝手に抱いていたイメージ(重々しくて堅苦しい)とは全く違って、重厚でありながら優しく包まれるような癒しを感じました。このアルバムは教会音楽が中心のようですが、どれも聴きやすい曲ばかりでお勧めです。クラシック好きでもそうでなくても、一気に自分の世界が広がっていくような体験ができるかと思います。
ホロヴィッツ・アンコール [CD] / ウラディミール・ホロヴィッツ
  • 投稿日:2020年08月19日
  • この口コミの投票獲得数:8票
4
ホロヴィッツの「おさらい盤」のようなアルバムです。映画の名場面集を見ているかのように統一性のない多岐にわたる曲目です。よく言えばバラエティ豊か、悪く言えばまとまりがないと言ったところでしょうか。とは言え全体的に良いとこ取りしているので、満足度は高いです。ホロヴィッツが奏でる「別れの曲」は、他の誰も真似ができない解釈で秀逸です。
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